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【皐月賞】鈴木康弘氏 騎手の意のままに動ける操縦性の高さ ダービーは“1強”の予感

スポニチ
  • 2024年04月15日(月) 05時28分
 【鈴木康弘 達眼解説】良馬は鞭影(べんえい)を見て走るといいます。賢い馬は鞭(むち)を受けなくてもその影を見ただけで騎手の合図を察するとの意味です。ダノンデサイルの馬体検査で7分遅れの発走となった皐月賞。スタンド前で待たされているライバルがイラついたり、発汗したりする中、ジャスティンミラノは古馬のように落ち着いていました。冷静に周囲をうかがう耳と目の動き、戸崎騎手の合図をおとなしく待てる、過不足ないハミの受け方。馬っぷりはレガレイラにかないませんが、並外れた賢い顔つきをしている。

 混戦レースに断を下したのも賢さでした。経験したことがない速いレース展開(前半5F57秒5)にも戸惑わず好位5、6番手に付けると、完璧に折り合った。キャリアわずか3戦目とは思えない悠然としたフットワーク。初経験の右回りでも手前(軸脚)をソツなく替えた。そして、直線。鞍上の鞭影に反応するようにトップギアに入った。なんと賢い馬か。騎手の意のままに動ける操縦性の高さが1冠目のクラシックタイトルを引き寄せました。

 510キロ超の大型馬でも重たさを感じさせない走り。推進力を生み出す尻と股の強い筋肉。背中にゆとりがある中長距離仕様の体形。キャリアが浅いだけに伸びしろもある。鞭影を見ただけで鞍上の合図を察する賢さも加われば2冠獲りに障壁なし。ダービーは“1強”になるでしょう。

 2着コスモキュランダも力を出し切れた。「千軍万馬」というべきか。豊富なレース経験にものを言わせた感があります。3着ジャンタルマンタルは流れが速かったため掛からずに走れました。「駆け馬に鞭」とでもいうべきか。前進気勢が強くなっているので距離延長には課題が残ります。

 レガレイラは発走を待たされ、発汗した首を上下に振っていました。スタート直後、他馬に前に入られてリズムも崩した。それでも6着まで差を詰めたのだから強い。「竜馬のつまずき」。名馬、名牝でも時には失敗することがあるとの意味です。ぜひダービーで捲土(けんど)重来を期してもらいたい。(NHK解説者)

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